司法書士法人京都ふたば事務所 > 記事コンテンツ > 相続手続きの流れ
■相続手続きの大まかな流れ
相続手続きは、①相続人調査、②遺言調査、③相続財産調査、④相続放棄・限定承認・単純承認の判断、⑤遺産分割協議、⑥名義変更手続き、⑦相続税申告の順で進んでいきます。
■相続人調査
最初にするのが、相続人の調査・確定です。相続人の地位は被相続人との親族関係によって決まるため、被相続人の親族関係を改めて確認し、これに基づいて相続人を確定させていくことになります。
具体的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。戸籍謄本には「転籍」「婚姻」等の文言が記載されているため、これを頼りにしながらひとつずつ前の戸籍に遡る形で収集します。
また、相続人が既に亡くなっており、代襲相続が発生する場合には、亡くなった相続人の戸籍についても収集する必要があります。
戸籍謄本の収集は意外と時間がかかる場合があるので、余裕をもって始めましょう。
■遺言調査
遺言には相続の方法を決定する効力があるため、被相続人が遺言書を作成していたか否かは極めて重要な情報です。被相続人の居宅・自室等に遺言書が遺されていないか、慎重に探しましょう。
なお、自宅等で自筆証書遺言が見つかった場合、検認手続きが必要になります。遺言書を勝手に開封することは避け、家庭裁判所で検認手続きの申立てを行いましょう。自筆証書遺言であっても、法務局で保管されていたものについては、検認の必要はありません。
公正証書遺言の場合には、公証役場で遺言等が保管されていますので、検認は不要です。
■相続財産調査
相続財産とは、被相続人の生前有していた権利義務の一切をいいます。つまり、相続財産には正の遺産と負の遺産が含まれます。
正の遺産の典型例としては、不動産や銀行預金、金融商品、有価証券等があります。不動産は固定資産税評価証明書や名寄帳を使って調べます。銀行預金はクレジットカードや通帳から口座を調べます。
■相続放棄・限定承認・単純承認
相続放棄は、相続人としての地位を放棄する意思表示です。相続は人の死亡によって開始しますが、相続放棄をした人は最初から相続人ではなかったものみなされ、正の遺産も負の遺産も一切承継しないこととなります。
限定承認は、留保付きで相続を認める意思表示です。限定承認をした相続人は相続財産を承継しますが、相続によって取得した正の遺産の限度でしか、負の遺産について責任を負いません。例えば2000万円の正の遺産と3000万円の負の遺産(債務)があった場合、限定承認をした相続人は、承継した3000万円の負債のうち2000万円の限度でしか責任を負わず、債権者から支払いを請求されても残りの1000万円について支払い義務を負わないことになります。
相続放棄・限定承認は被相続人の死亡を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申立てなければならないという点では共通していますが、相続放棄は各相続人が自由に行える反面、限定承認は相続人全員の一致により行わなければならない点で違いがあります。
申立てを行わないままこの3か月が経過した場合には、留保を付けず通常通り承継したもの(単純承認)とみなされます。したがって、相続財産調査はここから逆算して早めに済ませておく必要があります。
■遺産分割協議
遺言書により遺産分割方法が指定されていない場合、遺産分割協議を行います。遺産分割協議では各相続人が相続割合に応じて遺産を分割します。全員の合意に達したら、合意内容を書面にまとめ、日付を記載し、相続人全員で署名・押印して遺産分割協議書を作成しましょう。
■名義変更
相続財産の中に不動産や有価証券等。名義登録の必要な財産が含まれる場合には、名義変更手続きを行います。不動産は法務局で必要書類を提出して相続登記を行います。有価証券の名義変更は証券会社等で必要書類を提出して行います。
■相続税申告
相続税が発生する場合や、特別控除を利用する場合には、被相続人の死亡を知った時から10か月以内に相続税申告を行わなければなりません。遅れると追徴課税が発生する場合があるので気を付けましょう。
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